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セクター別分析【医薬品】
2020年08月27日 17:31
ディフェンシブ株として挙げられる業種といえば、以前は陸運株などでした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う利用者の減少を受けて、陸運のディフェンシブ株という一面は失われる事になったのです。

今回の主役である「医薬品株」も同様にディフェンシブという認識から一変した銘柄・・ただ、陸運と大きく異るのが、一躍人気セクターになったということでしょう。

名前の通り、医薬品を取り扱う企業が多い他、新薬の研究開発も手掛けているので、【4507】塩野義製薬や【4568】第一三共などワクチン開発への期待感から買われている銘柄も少なくありません。

ワクチン開発後も供給網の提供で成長する公算がある医薬品セクターですが、全ての銘柄が本当に投資先として適しているのでしょうか?


■今後の展望

実は今、一部の病院を除くと業界内の経済状況は良くありません。

日本病院会などが公表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」によると、20年4月の医業収入などを初め多くが2桁の減収としています。

殺菌消毒を心がけるようになれば、そもそも病気にかかる人が減り、治療が不要となります。病院への通院を避ける患者が増えれば、薬も売れなくなるのです。

さらに、ワクチンの開発には研究開発費がかかります。

各国で研究競争が進んでいますが、この中で効果が認められ治療薬として活用されるのはほんの一握り。場合によっては開発費用が無駄に終わる恐れもあるのです。

セクター全体で見るとワクチンの完成という成長期待はあるものの、【4503】アステラス製薬など足元で業績が悪化している企業は少なくありません。

利回りの優秀な企業が多いので、9月末にかけては配当狙いの買いを集める可能性がありますが過信は禁物。見極めが必要という点では、取捨選択が難しい玄人好みのセクターと今は言えるかもしれません。


■主な銘柄

【4502】武田薬品
【4503】アステラス製薬
【4507】塩野義製薬
【4568】第一三共
【4574】大幸薬品


※過去のセクター分析はこちらから御覧ください。

セクター別分析【陸運業】
セクター別分析【水産・農林業】
セクター別分析【電気機器】
セクター別分析【不動産】
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