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塩野義(4507)が仕掛ける、2030年代への“長期投資”
2026年01月20日 11:07
「特許切れ(パテント・クリフ)」という言葉の重みをご存じでしょうか。製薬会社にとって、主力薬の特許が切れるのは、まさに利益の崖から飛び降りるような恐怖。

塩野義製薬(4507)が発表した「3300億円の追加出資」というニュース。ただの出資拡大ではありません。「2030年代以降の飯の種」をガッチリ固定するための、極めて戦略的な一手です。

今回の主役は、英GSKと米ファイザーが設立したHIV薬の専業会社「ヴィーブ(ViiV)」。塩野義はここに21億2500万ドルを投じ、出資比率を約2倍の21.7%に引き上げます。

これまで単なる投資先だったヴィーブが「関連会社」になります。つまり、ヴィーブが稼いだ利益の約2割が、塩野義の営業外収益として計上されるようになります。

塩野義の屋台骨であるHIV薬「ドルテグラビル」は、2020年代後半に特許切れの足音が聞こえてきます。しかし、次世代の「カボテグラビル(長期作用型注射剤)」が今、欧米で爆発的に伸びているんです。

これまでのHIV治療は「一生、毎日1錠」が常識でした。しかし、塩野義の化合物から生まれたカボテグラビルは、数ヶ月に1回の注射で済む画期的なもの。この「利便性の革命」が、2030年代に3000億円規模の売上をもたらすと予想されています。

今回の出資は、まさにこの「3000億円の収益基盤」に直接杭を打ち込み、主導権を確保しにいったと言えます。