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※この新興株は上場廃止の恐れアリ※
2021年05月25日 06:56
2022年4月に予定されている新市場への再編において、各市場区分毎に新たな「上場維持基準」が設けられる事になります。

この基準に抵触する企業は半年~1年程度と見られる猶予期間中に改善が求められ、改善できなかった場合に"上場廃止"とされる予定です。

新市場区分では流通株式数の計算方式が変更されるほか、時価総額及び流通時価総額の基準が現行よりも厳しいものとなります。 特に、現在のマザーズ・ジャスダック(G)市場にあたる"グロース市場"では、上場から10年以上経過した企業に対して時価総額「40億円」以上という制限が設けられるので、現状のままでは抵触する恐れのある銘柄が少なくありません。

移行基準日(*2021年6月30日)までになんらかの改善策を打ち出す可能性はありますが、反対に上場維持を諦める恐れもありますので、お持ちの場合はくれぐれもご注意下さい。


■【2402】アマナ
CG制作やWeb販促を手掛ける広告制作会社。 時価総額は30億円ほどとグロース市場の上場維持基準に満たないだけでなく、20年12月期に債務超過に陥ったことで上場廃止に係る猶予期間入りしており、22年12月31日までに収益改善が求められています。

足元の業績は上向いており22年3月期には黒字を見込んでいますが、有利子負債が多く財務状況が悪いので次回の決算で利益が想定よりも振るわなければ、上場廃止が近づくでしょう。


■【4575】キャンバス
抗がん剤開発に特化した創薬ベンチャー。 万年赤字で収益化の目処はいまだに立っておらず、継続前提に注記が設けられている企業です。

流通株式が多いので流通時価総額基準は満たしていますが、2009年上場ながら時価総額は30億円程度。 成長企業だからこそ許されていた利益水準でしたが、グロース市場から落ちることになれば資金調達もままならず上場廃止に陥る恐れがあります。


■【7855】カーディナル
会員制カードなどの専業メーカーでしたが、現在はICタグ関連の強化も進めています。 企業規模に対して潤沢なキャッシュを持ちますが、前期は赤字で着地しており今期の黒字確保も難しいところ。

時価総額は11億円程度でグロースだけでなく、スタンダード市場の上場基準も満たしていません。 現状では上場廃止が濃厚ですが、カードビジネスで培った企業リストとICタグ事業に目を付けた他企業に吸収されることも考えられそうです。